ルフトハンザが東京線にエアバスA380を6月11日にから投入?

ひじょうに新しい記事だが、ルフトハンザ・ドイツ航空が6月11日フランクフルト発から東京線(LH710, LH711)にエアバスA380型を投入するという話しが出ている(いずれも28日付け、ソース1英語、ソース2フランス語La Tribune)。6月11日これまでは最初の路線がニューヨークJFKと報道されていたので、本当かな?という気がしないでもないが。ソース1によると4月29日からチケットが売り出されるとのこと。また、同社初号機の受領が5月19日と報道され(ソース)、さらに6月6日(一部報道だと7日?)にはヨハネスブルクにW杯に出場するドイツ代表を運ぶために使うと報道されている。

ちなみに、成田側はシンガポール航空が使っているA46ゲートの隣になるA45番ゲートでもA380対応ができているようである(ソース:成田空港会社の工事契約資料)。いずれもスターアライアンスメンバー会社が使う第1ターミナル南側だ。ルフトハンザがA380で乗り入れた場合、既に乗り入れているシンガポール航空と駐機する時間帯が重なることになるが、2つのゲートがあれば対応できるだろう。

ちなみに29日に日付が変わった時点ではルフトハンザのデータベース上では機材情報はまだB747-400となっている。しかし、どういうわけか日本語版Wikipediaではすでに「6月12日からA380となる」と書いてある。うーん、本当かなあ?どうなんだろう?まあ、明日見てみることにしよう。

エアバスA380型機はボーイング747型(通称「ジャンボジェット」)を上回る大きさの巨大な航空機。日本には現在シンガポール航空が1日1往復 乗り入れている。上記La Tribuneによると、夏以降にエールフランスも成田線にA380を投入するとのことだ。

ピルセン市民醸造所(チェコのビール醸造所)

もう1ヶ月近く前になるが、チェコのピルセンにある市民醸造所を見学してきた。現在世界中で飲まれている「ピルスナー」と呼ばれるタイプのビールをはじめて造った醸造所である。ここのビールの主力は「ピルスナー・ウルケル」で、日本も含めて世界中に輸出されている。ピルセン市は西部ボヘミア地方の街。プラハからなら鉄道で2時間ほど(ウィーンから行ったのでプラハは通らなかったが)。

工場は旧市街近くにある。見学はツアー形式になっていて、現在の最新鋭の工場の瓶詰め工程と、以前使っていた現在は稼働していない古い工場の両方を見せてくれる。現在の瓶詰め工程は最新鋭のビール工場そのものであり、日本でもおなじみのものだ。ここで見るべきはやはり古い工場の方である。特に印象的なのは麦汁を作ったりホップを加えたりするためのタンクと、発酵のために寝かせておく貯蔵用トンネル。工場敷地内の地下に縦横無尽に張り巡らせたトンネルで木樽でかつては発酵させていたそうで、トンネル内の温度を保つために天然氷を落とし込んでいた穴なども見ることができる。さらに、見学者は、酵母を濾過する前の「ピルスナー・ウルケル」が飲めるのだ(これは旨い)。

また、資料庫には、19世紀当時ここはオーストリア帝国の一部だったから、皇帝フランツ=ヨーゼフらが工場を訪れた記録などを見ることができて面白い。映像で19世紀から20世紀初頭の醸造所の様子を見ることもできる。

チェコは1人1年あたりビール消費量が150リットルと世界一になる「ビール大国」だ。街の中のレストランやバーでビールを注文しても0.5lで25コルナ(130円)ほど。喉ごしがあまり無く、ボヘミア特産のホップで苦みの利いた味の太い「ピルスナー・ウルケル」などのビールは、さわやかな味がする。(ビールは喉ごしと思っている人にはイマイチかもしれないが。)

チェコに行ったら、プラハやチェスキー・クルムロフで綺麗な街を眺めるだけでなく、こういう「チェコのビール文化の心臓」を覗いてくるのも面白いだろう。ここを見学すると、身の回りに当たり前にあるビールが、どういう過程を経て醸造されるかが分かるのはもちろんだが、ほとんど家庭毎に作られていたビールが、市民共同作業として共同で造られるようになっていった様子などもわかり、大変面白いのだ。

ピルセン市民醸造所の地下貯蔵トンネル。

やっぱり東京のメディアは「?」じゃないかな。

(これは前回のエントリー「テレビや大手新聞は見ない/読まない方がいいのではないかと思う今日このごろ。 」の続きです。)

前回のエントリーには反響がそれなりにあった。さらに自分で見つけたこと、考えたこと等々も含めて、書き足しておく。

今日のニュースを注意深く見ていると、「テニアン誘致を決議 北マリアナ上院議会 日米政府に要求へ」という記事が沖縄タイムスから出ている。内容は、アメリカの自治領(属州)である北マリアナ諸島の上院議会(定数9)が、普天間基地の移設先として同諸島内のテニアン島の米軍租借地を使うよう、日本やアメリカの政府に検討を要請するというもの。可決は全会一致だそうで、さらに下院(定数20)でも同様の議決が準備されているという。琉球新報にも同様の記事がある。

英語版記事を検索してみたら、米軍機関紙だというStars and Streipsに記事があった。David Allenという記者の記事で、21日付け宜野湾発となっている。冒頭をちょっとだけ引用すると、

While no communities on Okinawa and mainland Japan are willing to accept the relocation of Marine Corps Air Station Futenma, lawmakers representing tiny Tinian Island are campaigning for it to be the new home of the controversial base.

(仮訳)沖縄と日本本土のどの自治体もが普天間海兵隊基地の再配置の受け入れを望んでいない中で、小さなテニアン島の議院たちがこの物議を醸している基地の新たな場所となるよう政治的活動をしている。

というものだ。中身は、同じもので、「地元紙のSaipan Tribune」が報道していたとしている。ただしざっと検索した限り、Saipan Tribuneのオンライン版には記事は見つからなかった。

さて、不思議なことに、東京系のメディアを見ても、この件は紹介されていない。試しに日本のGoogle Newsで「テニアン」と検索してみても、出てくるのは、上記沖縄タイムスの記事を基にしている共同通信社の記事と、琉球新報の2つだけ。どうもおかしい。「北マリアナ諸島議会の議決なんてたいしたこと無いから見過ごそうぜ」というのはあまりにも考えとして稚拙だし、どうも、大手マスコミが業界を挙げて、テニアンやサイパンへの移設の可能性を「封印」しようとしているようにしか見えてこない。(マスコミはあくまで「社民党の提案」という扱い方しかしていない。)

やっぱり日本のメディアだけ見ていてもこの問題の全体像は出てこない。というか、在東京のメディアはグルでプロパガンダ・マシンと化しているんじゃないかと本気で思えてくる。

[…]

テレビや大手新聞は見ない/読まない方がいいのではないかと思う今日このごろ。

どう考えても不可解である。なんでこんな矛盾したこと平気で書けるのかなと思うようなマスコミ報道が多い。以下で朝日新聞の記事の見出しをを取り上げるが、単に首相の記者会見の記録が参照しやすかったからである。読売でも毎日でも中身は同じようなモノ。よくよく読んでいくと、「徳之島移設案はマスコミ業界が捏造したものです」と言っているに等しいように思うのだが。

見出しだけ並べると「徳之島の移設反対集会、首相『ひとつの民意と理解』」(4月19日)「徳之島案決定へ、20日閣僚会議 民主県連は撤回要求」 (4月19日)という具合で、あたかも徳之島案が政府案のように書いてある。NHKも記事の中で「・・政府内でヘリコプター部隊の一部を移すことが検討されている鹿児島県徳之島で大規模な反対集会が開かれた・・・・」と書いてあるし、あたかも徳之島が政府案であるような書き方をしているのは、どこのマスコミを見ても同じだ。

だが「『徳之島への移設指示』は『勝手な憶測』5日の鳩山首相」(4月5日)という記事にあるように、鳩山首相は徳之島案指示というのは憶測に基づいたものであり、「腹案」ではないことをぶら下がり会見で示唆している。ちなみに、敢えて書いておくが、産経新聞でも同日のぶら下がり記録記事にも、同じ発言が記されている。

もう、こうなってくると、「徳之島案はマスコミ業界によるでっち上げです」って暗に言っているに等しいような気もするんだけどな。記者会見で何社かの記者が「徳之島では・・・」といって、大臣なんかが徳之島に言及するのを繰り返し報道していれば、「徳之島が政府案」のような印象を流布させることはできそうだものな。

だけど、反対集会に象徴されるように、徳之島案なんかが出てくることで、移設反対の「地元の意志」が明確になる、という強烈な効果があるだろう。前にも一度書いたことがあるけど、あえてあーでもないこーでもないと「のらりくらり」やることで、「眠っていた民意」を起こすことに、今の政権は成功しているのではないだろうか。半年前にこんなに大規模な集会があるとは考えにくかったが、徳之島に続いて、今度は沖縄でも県内移設反対集会があって、知事までが参加するというのだから(時事通信)。(政権が人々をあおるのは民主的でないような気もするが、そもそも眠っている意見を起こさないと民主的なプロセスが何も始まらない状況では、そういうことがある程度必要だろう。)

ちなみに、首相の言う「腹案」というのは、サイパンとテニアンとグアムへ集約的移転を要請することではないのだろうか。Saipan Tribuneという現地の新聞では、テニアン市長は「30年にわたって米軍移転による経済的ベネフィットを待ち続けていた」と書いてある。読売新聞などは「普天間『八方ふさがり』」のように書いているが、国内移設先だけ見ているから「八方ふさがり」なんであって、サイパン・テニアン・グアムへの移設することにしてしまえば、すんなり解決しそうだ。そのことをYahoo! ニュースのページ(「キャンプ・シュワブ沿岸部以外の移設候補」の欄)が端的に表にまとめて表している。「のらりくらり」の狙い通りかどうかは別として、確かに国内移設案は「八方ふさがり」になっている。とすると、「自然と」国外のサイパン・テニアン・グアムあたりへの移転しかなくなってくるわけで、それ「腹案」なんじゃないかと思うのは、そのあたりに理由がある。

軍事基地なんてないに越したことはない(そもそも不要であることに越したことはない)だろうが、とはいえおいそれと簡単にはなくせない面もあるだろう。とはいえ、沖縄の負担を減らす、という意味で、サイパンやテニアンやグアムに移転していってもらうことが、悪いことだとは思わない。(むろん、サイパンやテニアンやグアムの負担が増えることの懸念はしないといけないが。)

さて、話しがそれそうなので、タイトルに話しを戻すと、どうも上のような事柄が多々あるので、テレビや新聞は見ない方がハッピーになれるのではないだろうか、と思うのだが、どうなのだろう?というか、同時に、テレビや新聞を真に受けずに自分の頭で物事を考えていくしかなさそうなだ。

4月20日追記: 以上はあくまで東京の大手メディアに対する話しだ。地方紙を中心に、きちんと報道をしている新聞は多いと思う。大手メディアが上記のようなプロパガンダ機能のようなものを発動た結果、新聞全体の信頼が落ちて購読者が減ってしまうようでは、地方の新聞社にとっては酷だと思う。

自転車と選挙ポスター

春になって暖かくなってきたので、自転車で研究所に向かうことにしている。地下鉄の場合と通る経路が若干異なることになるのだが、興味深いことを発見した。

オーストリアでは25日に大統領選挙がある。オーストリアの大統領は、首相と比べて政治的な役割は小さく、外交などと儀礼的な場面での仕事が多い、ある意味で名誉職のようなものだ。立候補しているのは、現職のハインツ・フィッシャー氏(社会民主党、中道左派政党)と、バルバラ・ローゼンクランツ氏(自由党、極右政党)の2人のみだ。公示前からフィッシャー氏の優勢だったこともあり、中道右派の民族党は候補者を立ててないほどだ。調査でもフィッシャー氏が8割以上の圧倒的な支持を得ている(ソース1,ソース2)。日本のメディアの内閣支持率はアテにならない気がするが、こちらのメディアの調査はアテにしてよさそうだ。

さて、面白いのは、そのポスターの掲示場所だ。市内中心部などはどちらの候補者も同じようにポスターを立てているが、私の住んでいるあたりとなるとちょっと事情が違うらしい。私が地下鉄で研究所へ向かうと、フィッシャー氏のポスターばかりを見ることになる。家から地下鉄の駅、地下鉄の駅から研究所の間ともにそうだ。自転車で研究所に向かってみると、ローゼンクランツ氏のポスターと、それに便乗して並んでいる党首シュトラッヒェ氏(ウィーン市長を狙っているとされる)のポスターばかりを見る。(地下鉄駅構内にはポスターはない。)枚数はフィッシャー氏の方が5?6枚、ローゼンクランツ氏の方も5?6枚だろう。(正確に数えていないが。)

地下鉄を使おうとすると、駅との行き来に徒歩の人が多い道を通ることになるが、そういう道には中道左派政党が多いわけだ。自転車を使うと、自動車が多い道を通ることになるが、そういう道には極右政党のポスターが多いわけだ。とすると、それぞれの政党の候補者が、どういう交通手段を利用する層をターゲットにしているか、少しだけ分かるような気がしないでもない。

ちなみに、極右政党はウィーンの人口の1/4近いという外国人には当然ながら不評で、ローゼンクランツ氏のポスターにはしばしば落書きがされている。選挙としても、おおむね結果が予想できてしまうため、有権者の関心は割と低いようだ。