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普天間基地を抱える宜野湾市長の興味深い指摘

このところ普天間問題はあれこれ騒がれているが、宜野湾市の伊波洋一市長が興味深い指摘をしている。指摘の内容の詳細は、「田中宇のニュース解説」の記事や、日本テレビで放映された宜野湾市長への30分インタビュー(全編ノーカットで動画で見られる)、朝日新聞沖縄版(オンライン版)の記事などを参照していただきたい。

筆者なりに要約すると、市長が指摘している点は、

  1. 在沖縄海兵隊の移転の議論は、「定員」をベースに行われているが、実際に定員が充足されているわけではない。沖縄には18,000人の海兵隊員がいることになっているが、実際には12,000人強しかいない。(つまり隊員の実数は定数の2/3程度である。)
  2. 「2006年の日米合意」の後に、米国国防総省は、「グアム統合軍事開発計画」を策定している。この計画と、その環境影響評価報告書によると、普天間基地に駐留する海兵隊の部隊(実際の数は約2000人)は、グアムの基地内に新設される場所にすべて移転する。
  3. 「普天間飛行場」の移設が日米合意に組み込まれているが「普天間基地に駐留する部隊」の移転とは切り離されている。
  4. 仮に代替の飛行場を建設したとしても、「グアム統合軍事開発計画」が予定通り2010年6月以降に実施されれば、代替飛行場に駐留する部隊はいない。つまり駐留する部隊のいない軍事施設ができることになる。
  5. 従って、そのような代替飛行場を新たに作る必要はない。

というものである。市長の指摘のポイントは、一つはアメリカ政府側が公表している資料をもとにしていることである。もうひとつは、「軍事施設」ではなく、「駐留する部隊」の隊員数やヘリコプターの数の側から議論していること。従って、日本のマスコミが大騒ぎしている観点とは大きく異なっている。市長の言うとおり、米軍自身が実施しているグアムへの移転計画が予定通り実行されれば、代替施設は空っぽで意味のないものになる。そんな施設に多額の税金を投入するのは、税金の無駄遣いそのもの、というわけだ。(沖縄の土建業界は儲かるが。実質的に「公共事業」と同じではないかというのは、私の友人の指摘だ。)

さらに、アメリカ側が「現行の移転計画」として指しているのは、2006年の日米合意ではなく、「グアム統合軍事開発計画」ではないか、という考えも浮かんでくる。「それでなければダメ」というのは、別に日米合意ではなく「実はグアム移転計画でした」なんていういいわけができる言い方をしているように見える。

米軍再編の中で沖縄の海兵隊がグアムに移転する計画を米軍自身が立てているということは、米軍自身が、しばしば指摘される「朝鮮半島有事」の時には、グアムからで十分対応できると考えていることを示している。しかも、「朝鮮半島有事」など実際には起りそうになく、単にプロパガンダのためのものとして使われている感が強い。

アメリカにとって沖縄の海兵隊基地が「オイシイ」理由は、思いやり予算でお金がたっぷりもらえて「タダ飯を食える」点を田中宇が指摘しているが、それ以外にもあるだろう。沖縄の海兵隊基地は隊員集めの広報用にオイシイ基地であるらしいのだ。アメリカには徴兵制度がないので、志願した人だけが隊員になるのだが、米軍は隊員集めにかなり苦労している。学生に奨学金を出して学費を免除したり、ニューヨークのタイムス・スクエアなど一等地に隊員募集用の広報センターを設けたりしないと、隊員が集まらないのだろうだ。(そのあたりの事情は「ルポ 貧困大国アメリカ」(堤 未果 著, 岩波書店, 2008)に詳しい。)

沖縄の基地は、やるべき仕事が余りなく暇で、イラクなどに派兵される心配もなく、攻撃される可能性もほぼないので、いわば「やりたい放題できる」基地らしい。そういった基地に駐留して帰ってきた隊員は社会に復帰して自らの「よい経験」を語り、次の世代に隊員になることを宣伝してくれることが多々あるだろうが(昨年ボストンに行った時に、列車で隣席になった沖縄の海兵隊に駐留経験のあるという若者が、沖縄での駐留経験を満足げに語ってくれたのもその一部だろう)、イラクやアフガニスタンに派兵されて帰ってきた隊員は心理的な後遺症に悩まされ社会復帰が難しいとも聞くし、自らの「辛い体験」を積極的に語ることも少ないだろうから、宣伝役にはならない。そんなのんびりした米軍基地など世界中にほとんどないだろうし、そんなオイシイことができる基地に必要なカネは日本政府が出してくれるのだ。だが、逆に言うと、沖縄の海兵隊基地が沖縄にあるべき米軍側の理由は、実はこれらだけ、ということにもなってくる。

この件に関して民主党がやっているのは、前のJAL関連の記事に書いた「のらりくらり」作戦と同じものだろう(田中宇も同趣のことを指摘している)。一気にやったらマスコミにそうたたきにされるし、日本の有権者自体も一瞬では思考を転換できないが、徐々に変えていくことはできる。「のらりくらり」作戦は当面続くだろうが、最後は沖縄の海兵隊は全部グアムに移転しておしまい、になるのではないだろうか?(あるいは、戦術的に少し配置する程度は残すのかもしれないが。なお「戦略的」ではない点に注意。)

長期的には、軍備そのものが余り役に立たない時代が来るかも知れない。(現実に、自衛隊が普通の人にとって最も役立つのは、災害時の救助活動などになっている。)日本のマスコミの情報を真正面から拾っていても、そのような姿は見えてこないのだが、5年や10年というスパンで大きく変わっているような気が、ウィーンから見ているとするのだ。(東アジア共同体だって、15年もたてば現実にできているのではないだろうか?。日本が参加するかどうかは、日本の政治状況によるだろうが。15年先の世界は「あり得ない」と思っていることが起っているかもしれない。今から15年ほど前には、韓国に行くのにビザが必要だったそうだし、当時「韓流ブーム」が起ることなど誰が予想していただろうか?同様に、20年前には、ドイツはまだ2つに別れていた。)

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