A sample text widget

Etiam pulvinar consectetur dolor sed malesuada. Ut convallis euismod dolor nec pretium. Nunc ut tristique massa.

Nam sodales mi vitae dolor ullamcorper et vulputate enim accumsan. Morbi orci magna, tincidunt vitae molestie nec, molestie at mi. Nulla nulla lorem, suscipit in posuere in, interdum non magna.

チェコを格安に列車で旅する切符の買い方

ツイッターはどうにも手を出す気になれないが、船曳建夫のツイッターが面白くてびっくりした(funabikitakeo)。

さて、本題。チェコを、あまりお金をかけず格安に、列車で旅行するにはどうしたらよいか。ユーレイルパスなどが使えないので、頭をひねることになる人も多いのではなかろうかと思う。以下、チェコで「使える」切符をざっとまとめる。最近まであまり注意深く見ていなかったのだが、よくよく調べてみると、いろいろ割安なオファーが出ているではないか。

先に、チェコ国鉄のホームページではオンラインで乗車券を購入できることを述べておかねばならないだろう。アカウントを作成する必要があるが、メールアドレスさえあればOK。オンライン購入の決済はクレジットカードで可能。切符を購入する際には会員カード InKarta か、その他のIDの番号を入力する必要があるが、パスポート番号(アルファベットを除いた部分)を記入すればOKだ。EU各国が発行する身分証の番号でも可。ほぼ全ての切符が購入可能。

さて、以下格安に旅行するための切符の情報。情報は2011年1月現在。

1. 普通乗車券も十分安い。オーストリアやスロバキアとの国境から最初の駅 Breclav から プラハまで、国全体の2/3を走り切る片道普通乗車券は 15 ユーロ程度だ。なお、オンラインで購入した場合は、購入時に選択した列車にしか乗車できない。またオンラインで購入すると3%程度割引になる。

2. “Group Ticket” というミニ団体割引乗車券は、2人から発行できる。2人以上で旅行する場合は、まとめて切符を買った方がお得。これもオンラインで購入可能。

3. SONE+ Network Ticket というものがある。土日祝日(むろん祝日はチェコの祝日)の1日、大人2名+14歳以下のこども3名まで、チェコ国内の全ての列車に丸一日乗り放題で、550コルナだ。チェコ国内の窓口でも買えるが、オンラインで買うと534コルナとなる(534コルナ=22ユーロ、2011.01.22 現在)。大人二人だけでも十分元が取れる。なお家族である必要はないので、友人同士2人などでも使用可能。

4. 上記の拡張版で、 SONE+DB, SONE+Polandがある。前者はドイツと、後者はポーランドとの共同の切符。ドイツ版は、チェコ国内プラスこのPDFに図示された範囲で有効(図中のNěmeckoってのがドイツのこと)。ドレスデンなどに行ける。細かい情報はこちらをGoogle Translateなどで翻訳して確認を。ポーランド版の有効範囲は、こちらのPDFで確認を。Wroclaw, Katowice あたりまで行ける。さらなる詳細はこちらを翻訳して確認を。値段はどちらも650コルナ。これらはオンラインでは購入不可。

5. 似たようなもので、 SONE+ の地域版というのが各県ごとに設定されている。250コルナ程度。ドイツと接する地域では、100コルナ増しでドイツ側がセットになったモノが出ている。チェコ国内用はオンライン購入可。

6. 国際チケットとして、 SporoTiket というのが出ている。ウィーン、ベルリン、ワルシャワなどに設定されている。オンラインでも購入可能。プラハ?ウィーンが19ユーロから設定されている。乗車する3日前までに買う必要がある。(例:木曜日乗車分は月曜日まで発売。)発売枚数が限定されているのかどうか etc は不明。3日前駆け込みでも普通に買える模様。チェコ発の片道または往復のみ購入することができて、外国発片道の購入はできないので注意。また、基本的にプラハ、ブルノ、オストラヴァ発でしか購入できない。

7. ČD Net network といって、1日(600コルナ=約25ユーロ)または1週間(1250コルナ=約52ユーロ)でチェコ国内全列車乗り放題のパスが買える。使い勝手がいいかどうかは「?」だ。チェコ国内に住んでいて長距離通勤が必要な場合などは1週間パスは重宝するかもしれないけどネ。

なお上記に書いたものは、全て SuperCIty Pendolino に乗る場合は200コルナの座席指定料金兼特別料金が必要だ。

この中でも特に割安なのは 3番の SONE+チケットだろう。ウィーンを拠点にチェコに行く場合は、国境である Břeclav Grenze (Nordbahn, […]

ヨーロッパの空の混乱

先週から、ヨーロッパの空が混乱している。原因は3つ。

このところの寒波と大雪。ロンドンの主要な空港であるガトウィック空港が閉鎖されたり、パリの空港が通常の運用ができなくなるなどが発生。遅れや運休の原因となっている。比較的落ち着いてきているとはいえ、空港の滑走路が最大のキャパシティーを使えなかったり、Deicing (離陸前に行う羽根の上などの雪を溶かす作業)の関係で、遅れが出やすいはず。 スペインでの管制官のストライキ(4日から)。スペインを発着、あるいは上空を通過するフライトが大混乱。5日には正常に戻っているとのこと。 フィンランド航空とBlue 1(航空会社)の客室乗務員が加盟する組合のストライキ(11月30日から)。日本を発着する便にも影響が出ている。思いの外長引いていて、5日時点でも決着の目処が立って居らず、1週間以上混乱したままの様子(詳細)。もはやいつまで続くのか不明。7日朝までに決着しないと、フィンランドでは火曜日から他の交通機関でもストライキに入るモノが出てくる模様. なお、Blue 1のストライキは妥結して終わっている。(英文の現地ニュース)

ということで、今週旅行する人は、タイヘンだ。日本ではあまりニュースになっていないので、ご注意、というところかな。

ウィキリークスと海老蔵のニュース

話題持ちきり(?)のウィキリークスに関する日本のニュースソースを眺めていても、 ウィキリークス資金源失う? 寄付集め口座打ち切り報道 とか、ウィキリークスに強まる包囲網・・・でも米捜査は足踏み とか(これはどちらも朝日新聞オンライン版のタイトル)、あるいはアサンジ氏の口座調査=居住地不正記載か?スイス郵政公社 (時事通信) の類がほとんどで、どの大手のメディアも海老蔵を追っかけるのと同じ調子でばかり報道している。

私に解せないのは、「検察のリーク情報」みたいな言い方をマスコミが使うくせに、今回は「リーク」という単語を使わず「暴露」という単語を使っている点である。そういえば、それぞれの記事もどことなく「ウィキリークスは怪しいモノだ」という印象を植え付けるような感じがする。

オーストリアのメディアはというと、むろん上記の海老蔵追っかけ的内容も報道してはいるが、暴露された内容を分析する方に力点を置いている。”US-Diplomaten sind wegen Österreichs Politikern “frustriert”“(米外交官がオーストリアの政治家にいらついた)とか、自国に関連する内容を紹介している。あるいは、画面をキャプチャして載せていたりもする(Der Standard の例)。

さて、ウィキリークスが公表している、下記の「発信元一覧」を引用しておく。赤、橙、緑はそれぞれが「Secret」「Confidential」「Unclassified」の分類と思われる。

ウィキリークスの外交文書の発信元一覧。ソースは http://wikileaks.ch/static/gfx/graphic.png

まあ、ふーん、と見過ごしてしまうのかもしれないが、発信元をよく見て欲しい。”Secretary of State” は国務省。次に多いのが、トルコのアンカラにある大使館、ついでイラクのバグダッドにある大使館で、これらはイラク関連が多いのだろう。その次(全体で4番目、大使館で3番目)が、東京にある大使館である。7千件弱の文書がリークされることになっている。なお、25万件強ある文書のうち、842件だけが現時点で公開されているだけで、東京発の文書はまだ含まれていないようだが、今後全部リークされるとすると、25万件のうち7千件、約2.8%が東京発の文書ということになる。「ふつうの」西側諸国の大使館の文書が2000件?4000件の間にあるから、7000件は突出して多いと言っていいだろう。

日本のメディアは、公開された文書を詳細に紹介したりするだろうか? 先に書いた、メディアの書き方がどうも「ウィキリークスは怪しいぜ」という、海老蔵やら、あるいはのりぴー追っかけよろしくのスタンスであることを考えると、期待はできなそうである。

日本政府が国民に知られたくない情報が、上述の7000件の中に含まれている可能性もあるだろう。可能性が高い、と言ってもいいかもしれない。しかも、普天間基地移設問題に関する裏のやりとりなどがウィキリークスを通じて公になったら、日本政府にとっては、たまったものではないことになるかもしれない。とすると、日本の大手メディアは、日本国民に、リークした内容を内容を必至に知らせないようにするのではないだろうか?

(しかも、大手メディアが必至に情報を知らせないようにうごいたら、インターネットにアクセスがあり(かなり普及しているでしょう)、かつ英語が読める人なら、ウィキリークス本体にアクセスできるわけで、大手メディアの存在意義が薄れて、逆にウィキリークスのようなサイトの存在意義がより増してしまうということにもなるのではないだろうか。)

金子勝が「ウィキリークス、私もいいことではないなあと思いつつも、前原外相の「犯罪云々」発言から「米国兵士を危険に陥れる」といったピントボケな批判が出てくると、さすがにもっと真面目に考えたらと思います。」と自身のツイッターに書いていた。私も、別にこういう形で機密情報をリークさせることを推奨したいとは思わないけれども、手に入ってかつ誰の目にでも見られるようになっている以上、もっとまともな形で向き合わないと、ロクなことにならないと思うのですが。

ウィキリークスのトップページ。見たことあります?

[…]

Takeuchi = タコイヒ じゃないです先生 (竹内製作所のはなし)

ヨーロッパのあちこちの小規模な工事現場には「Takeuchi」という会社の建設機械が使われていることが多い。水道管の補修とか、そういう小規模な工事現場だ。そして「建設機械」と書いたが、まず100%小型パワーショベルだ。

さて、この「Takeuchi」だが、先日見学に行ったローカル線の駅の構内改良工事に使われていて、「どう読むのか?」と自分の教授に聞かれた。なるほどこれを真っ当にドイツ語読みすると「タコイヒ」になる(考えたこともなかった!!!!)。いやいや日本語読みして「タケウチ」ですと教えておいた。

しかし、この会社、日本語の名前なのに、日本で見た記憶がない。そういう話しを某日本の教授としていたときは「コマツの海外ブランドだったりして」なんていう話しもあった。しかし、調べてみると、この会社は長野県の、上田市から近い埴科郡坂城(さかき)町に本社を置く「竹内製作所」という会社だそうだ。英語社名は “TAKEUCHI MFG. CO., LTD.” 従業員数が426人だから、中小企業とはならないが、決して大会社というわけでもない。

軽量小型で小回りが利き、さらに360度回転できる性能が評価されてよく使われているようだ。欧州市場向けのうち、イギリスとフランスには子会社があり、オーストリア、スイス、スペイン、スロバキア、ハンガリー、スロベニア、クロアチア、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ向けへは、オーストリア西部フォアアールベルク州に本社を置いている “Huppenkothen GmbH & Co KG” が販売しているそうだ、とドイツ語版ウィキペディアに書いてある。他にアメリカと中国に子会社があるそうだ。中国子会社の竹内工程機械(青島)有限公司では現地生産もしているそうな。

こういう小さめの会社が世界で大きく頑張っているって、なんだか頼もしいし面白い。そして、知らない世界がたくさんあるものだ。

この写真の中に竹内製作所の建設機械が写っています。どこでしょう?

ロシア鉄道の切符をオンラインで買ってみた (Russian railway ticket online directly from RZD)

ロシアの鉄道がオンラインで買えるようになったと、境港からウラジオストクまで船に乗り、シベリア鉄道でモスクワに出て、ベラルーシとポーランドを抜けてウィーンに帰ってきた友人から話しを聞いた。ということで、試してみた。Google Translate のロシア語と英語の翻訳の助けさえ借りれば、さほど難しくはない。(Google Translate で翻訳する時は、必要な項目をコピペして翻訳すること。ページ全体を翻訳すると、エラーを吐くんじゃないかな。)

なお、このオンライン販売はロシア語版ウェブサイトだけにあるので、英語版ページでは売ってくれない(そのうち対応してくれることを期待するけど)。英語版ページからオンラインで買おうとすると、割と高い手数料を取るベルリンの旅行会社にリンクしている。

以下、手順だ。

1) まず、ロシア国鉄 RZD のホームページ に行く必要がある。このトップページの左側に、”Пассажирам – Расписание, наличие мест, стоимость билетов”という項目があるはずだ。意味は “Passengers – Schedules, availability and cost of tickets”ということで、この欄を使う。Откуда が出発地、Куда が目的地、Дата が日にちだ。出発地を目的地をキリル文字で入力する必要があるが、ウィキペディア英語版で都市名で検索すれば、都市の項目のページに必ずキリル文字の名前が書いてあるので、それをコピペすればよい。まあ、モスクワは「МОСКВА」だし、サンクトペテルブルクは「САНКТ-ПЕТЕРБУРГ」だし、そんなに難しくはない。出発日はカレンダーから入力すればOK。

2) さて、検索のボタンを押すと、列車の候補一覧が出てくる。見れば判ると思うが、左から列車番号、運行区間、出発時刻、到着時刻、所要時間、そして最後は連結されている等級だ。Л – Люкс(デラックス)が特等, М – Мягкийが1等寝台, К – Купе(クーペ)が2等寝台, П – Плацкартが3等寝台, С – Сидячийが座席だ。それぞれがどんなものなのかは、旅行ガイドかトーマスクックの時刻表でも参照して下さいな。2等までは個室だけど、3等は開放寝台。

3) 列車を選択して「次へ」のようなボタンを押すと、今度はその列車に連結されている等級、号車、運賃、上段・下段別の残数が出てくる。基本的に1つの車両が1行に表示される。これで希望の車両を選択。なお「次へ」を意味する「продолжить」は英語の「Proceed」に相当して、よく出てくる。

4) 車両を選択して、「規約に同意します」という意味の行をクリックして、「次へ」のようなボタンを押すと、チケットの枚数を聞かれる。Взрослых が大人、Детей が子供、Детей без места が大人と同じベッドに寝る子供。必要な人数を選択しましょう。

5) […]

シュタイアマルク風かぼちゃクリームスープ (Steirische Kürbiscremesuppe)

カボチャの季節といえば、これ。たいてい「季節のメニュー」として出してくれるレストランで食べるのも美味しいし、寒くなってきて体を温めるのにも最適。以下、そのレシピで、「シュタイアマルクの料理」というウェブサイトから翻訳。写真が出ているので、原典を見てみて下さいな。ま、オーストリア人は、カボチャでジャック・オ・ランタン作って遊んだりせずに、カボチャを食べることに勤しんでいるっていう感じかな。

材料(かっこ内は筆者注)

かぼちゃ 0.5kg (日本品種がよい。こちらではHokkaidoという名前) みじん切りにした玉葱1個(日本で売っている玉葱なら2/3くらいで十分かと思う) みじん切りにしたにんにく1?2かけ サラダ油またはバター 600mlのスープストック(野菜かチキンで出汁を取ったもの、またはインスタントのもの) 塩、胡椒 ナツメグ クリーム150ml お好みで生姜

作り方

カボチャの身をさいころ状に切る。玉葱とニンニクを油かバターで炒る。そこにカボチャを入れ、軽く炒め、さらにスープストックを入れる。塩、胡椒、ナツメグと、好みで粉末(すり下ろしてもいいと思う)の生姜を加えて味付けし、煮込む。カボチャが柔らかくなったら、クリームを加えて、ハンドミキサーでピュレー状にし、味を調える。

皿に盛るか、あるいは実をくりぬいて取り出したカボチャに盛りつける。最後に、カボチャ種油を軽く載せ、別途炒めておいたカボチャの種を少量散らして、できあがり。

新手の豪華列車が登場:モスクワ発ニース行き

9月23日から、新手の豪華寝台列車が登場したそうだ。走る距離は3279km。モスクワのベロルスカヤ(ベラルーシ)駅を毎週木曜日16:17分に出発して、52時間55分かけて、ベラルーシのミンスク、ポーランドのワルシャワ、オーストリアのウィーン、インスブルック、そしてブレンナー峠を越えて、ミラノ、ジェノヴァを経由して、フランス地中海岸のニースへ向かうそうだ。到着は、土曜日の19:12分。むろん、復路もある。

列車番号D 17BJ。オーストリア国鉄ÖBBの時刻検索(最近リニューアルされた)から引用すると、以下の通りだ。

駅 到着 出発 Moskva Belorusskaja 16:17 Wjasma 19:53 20:16 Smolensk 22:07 22:12 Orscha Central 22:30 22:40 Minsk(BY) 00:59 01:09 Brest Central 04:35 06:45 Terespol 06:03 06:43 Warszawa Wschodnia 09:39 10:28 Warszawa Zachodnia 10:40 10:49 Katowice 13:49 14:04 Zebrzydowice 15:17 16:04 Bohumin 16:22 17:07 Breclav 19:06 19:18 Wien Meidling 21:08 21:17 Linz/Donau Hbf […]

チロルの奥で山歩き

今年の夏はイスタンブールに行ったりリスボンに行ったり日本に行ったり韓国に行ったりしていたから、オーストリアの山に出かける機会はほとんどなかった。と言うことで、9月中旬の話しではあるが、今年はラストチャンスとばかりに、エッツタール(Ötzthal)の奥の方を1日ばかり歩いてきた。

金曜夜に、ウィーンを22:44分発の夜行列車で出発。土曜朝の5:45分頃に、谷の入り口にあたる Ötzthal (エッツタール)駅で下車。始発のバスに乗って、Zweiselstein(ツヴァイゼルシュタイン)という集落で下車。ここでVent(フェント)行きのバスに乗り換える。合計1時間半ほどでVentの中心部に到着。村の中に1件だけあるお店の奥の喫茶コーナーでコーヒーで体を温めて、いざ山歩き開始。

2時間45分ほどで、Martin Busch Hütte という山小屋に到着。ここでちょっと早めのお昼。山と来たらフランクフルターソーセージでしょう。ということで、それをいただく。ちなみに山小屋はドイツ語で「Hütte」(ヒュッテ)というが、日本語にもなっていますね。

そこから更に奥に上って行き、2時間ほどで着くはずの、Similaunhütte(シミラウン・ヒュッテ)の方を目指す。途中までは草が生えているところを抜けていくが、途中から岩だらけになって、さらにちょっとした尾根筋に上ったりしながら上っていく。ほぼ頂上までついて(頂上まであと1歩だったが、降りる頃に日が暮れてもマズイので、引き返した)そこから引き返して、その日のうちにVentの村まで降りてきて1泊。Ventの村が標高1890m程で、ほぼ標高3000mまで上ったので、1日で1100m上って下ってきたことになる。足かけ10時間以上歩いていただろうか。今思えば、山小屋に泊ってもよかったし、超えてイタリア領南チロル自治州側に降りるっていう手もあったんだなあ。

快晴で、日中は気温もそれなりに(15度くらい?)あったこともあり、多くの登山客がいた。日本だと登山というのは中高年のイメージがあるかもしれないが、ここでは若い人も多い。もっとも、この1週間後にはこのへんは雪が降ったらしいけどね。

6月半ば?9月半ばまでの夏山は大変に美しいです。

標高2700mあたりからの風景。谷の奥のあたりに Martin Busch Hütte があるはず。ほぼ中央に見えているのが Vord.- Diemkogel (3368m), 左に見えているのが Steinmandl (3145m)だろう。

氷河も間近に見える。これは標高3000m付近。

得体の知れない閉塞感

先日、ほぼ一年ぶりに日本へ行った。およそ二週間の滞在だった。それにしても、何とも言い難い閉塞感のような空気が漂っているのだろう。街を歩く人が、果たしてハッピーなんだろうかとつい考えてしまうほど、「空気」がどんよりしていた。暑さのせいもあるかもしれないが、仮にそれを差し引いたとしても、ちょっと異常なように私には思えた。慣れてしまえば、どーってことないものなのかもしれないが、慣れてしまうのが怖いと思わせるような、どんよりした空間だった。

いったい、なぜだろう?

私の考えでは、一言で言えば「無理をしている」「無理を強いられる」からだろう。その「無理」を感じるときを、以下にまとめた。

1. 「忘れ去られた国ニッポン」を直視しない: 世界の人々の目はどう頑張っても中国に向いている。現実に、ヨーロッパに住む私には、日本はアジアの辺境の忘れ去られた島国、と人々が受け取っているように思われる。日本でも皆うすうす気づいているのだろうが、それを認めようとしない。どうにも無理をして見て見ぬふりや忘れたふりをしているように思われる。

2. 消費させようとする各種のものがあふれすぎ: 街を歩いていれば大音量でお店から流れてくる音楽、あちこちの宣伝看板。なんだか物やサービスを無理してまで消費させられている気がする。音や看板は嫌でも耳や目に入ってくるから、非常にたちが悪く、疲れる。

3. 街中の情報過多: 上と関連するが、街を歩いていれば、広告・宣伝や注意書きの情報がやたらあふれている。これらは黙っていても目に入ってくる。平静に保とうとしても無理だ。音・文字の情報の流れに対して、我慢を強いられる。ちなみに、ロンドンなどでは似たようなことを感じる。(余談だが、各所の駅で「このホームは傾斜があります。ベビーカーは線路と平行に停めて下さい。」と書いてあるのを見たが、どこかの鉄道会社が裁判で訴えられて損害賠償でも払うことになったんだろうか?)

話しがちょっとだけそれそうだ。元に戻そう。

4. みな貧乏になりはじめている: 私と同世代には非正規雇用が多い。こういうケースでは、むろん仕事としては不安定だし、食べていくのにやっとだったりするケースが多い。日本全体でも、一人あたりGDPはすでに23位(IMF 2010年データ)だ。既にシンガポールや香港の後塵を拝し、アイルランドやアイスランドやオーストラリアやオーストリア以下だ。1990年代は2位とか3位とかだったのにね。台湾とほぼ同レベルで、ギリシャなどと近いレベル。

5. 日本企業の限界: 東大などのトップクラスの大学の学生は、できれば日本企業では働きたくないと思っている人が実は結構いるようだ。もっとも、チョイスがないので「やむを得ず」日本企業で働く人も多いように見える。が、優秀な学生ほど外資系企業や小さなベンチャー就職しているように思われる。日本企業には人材が集まっていない。あるガチガチの日本企業に就職して地方配属になった後輩は、すでに入社4ヶ月目にして「国連で働くにはどうしたらいいか調べ」たりしたそうだ。日本企業にはすでに人材が集まらなくなっていると可能性がある。(その原因のあたりは稿を改めて書きたいと思っている。)

6. かといって、大方の場合、日本から出ようとすると『日本を降りる若者たち』の世界になる: 非正期雇用で日本で1年のうち2ヶ月くらい働いて、あとは物価の安い国で「外ごもり」生活をするくらいしかない。日本から出て、その先の社会で活躍するにも、大方は語学力だの文化・制度の違いその他の諸問題があるから、簡単には出られない。結局、日本のなかでどうにかするしかない人たちが多い。が、その日本は先行き不透明、このまま行けば日本全体は貧乏になる。若い世代にとっては、将来、親の世代のような「良い暮らし」をするには無理がある。(余談だが、旅先で「外ごもり」をする日本の同世代から1回りくらい上の人たちにはずいぶん出会った気がする。)

7. なのに、団塊の世代は実は美味しい思いをしている: 「逃げ切った」格好の団塊の世代は、海外旅行三昧だったりする人たちが多い。なのに若い世代にはお金がない。お金がないから、結婚したり子供生んだりなんてとても無理、という人が実は結構いる。

8. マスメディアが役立たず: 私が話した人が異口同音に「テレビや新聞は『煽り』の要素しかない」という。大手のテレビや新聞はジャーナリズムとしてはもはや死に体。結果、まともな情報源がないから、議論することも自分のアタマで何か考えることも無理。日本関連記事ですら外国メディアの方が物事をより詳しく掘り下げて報じていることが常態化している始末。

9. 未来志向で東アジアを見られない: 対米追従志向(思考)の人が多すぎて支配的なせいだろうが、アジア各国とこの先どうやっていくか、議論すら無理な風潮。現実的には、近隣とうまくつきあっていくしかないはずなのに、何かあると上に書いたようにマスメディアが対立を煽る。

10. 地方は外部との接触を失っている: 東京はさておいても、地方部は外の世界(その地方以外の世界、日本より外の世界)との接触がほとんどない。唯一の窓口はイオン・ジャスコにある輸入食品という始末。外の世界を除くなんて、マスメディアが伝える断片情報以外、無理。

11. 感情論が先行、「恨み」が蔓延: 何かあるとすぐ「恨み」や感情ばかり強調される。感情論が先行したら、、理性的な話など無理。落ち着いて冷静に物事を考えねばならない場面ですら、感情論が先行する。感情論・恨みが人を裁いているようにすら見えるケースもある。

どうにも「どんよりした空気」や「得体の知れない閉塞感」を滞在中に感じたので、「無理」をキーワードとしてその原因に近づけないかと考えてみて、上記のように書き出してみた。書き出してはみたが、どうも雑多なアイディアの羅列になってしまった感が否めない。こういう風に書き続けていると、冗談か本気かわからないが、「じゃあ日本国籍やめれば」とまで言われてしまい、更に居心地の悪さが増す、という具合なのも事実だ。

「無理」という単語を繰り返しつかったが、日本には「ごくごく普通のことなのに、 自然体でやろうとすると無理で、何らか無理をしないとまともなことすら実現できない」ことが多いのではないか、という考えがその発端にある。日本の暗い話しばかりで、書いている自分も暗い気分になってきた。とりあえずこの辺で筆をいったん置くことにしよう。

『ガラパゴス化する日本』

長いことブログを記していなかった。この1ヶ月半ほどの間に、イスタンブールへ行き、リスボンへ飛び、はたまた日本へ飛び、さらに韓国にも寄り道した。本来なら今日はモスクワにいる予定であったが、このところの森林火災とそれによるスモッグの影響が不透明なので、この予定はキャンセルして後日改めることにしたところだ。

さて、『ガラパゴス化する日本』(吉川尚宏著、講談社現代新書、2010年)とは刺激的なタイトルである。「ガラパゴス化」とは私も時々自分の専門分野で使うことがあるが、要するに世界の他所と隔絶された孤島で独自に進化を遂げてしまった状態であり、この本の場合は日本国全体がそうであるとしている。

本書に出てくる実例はまずまず面白いし、へえとうなずくこともある。ところが、最後の章がちょっとお粗末だ。ここに出てくる、「脱ガラパゴス化」のための、2つのシナリオとは、「霞ヶ関商社化」と「出島を作る」ことだそうである。霞ヶ関商社化とは要するに「国の制度や仕組みを海外と互換性のあるものにする」ことだそうで、「出島を作る」というのは、どこかの都市を、日本語以外に英語と中国語が準公用語で、解雇規制も含めた規制の撤廃され、空港などインフラが整い、世界最先端の研究期間があり、法人税などが低く企業運営コストが低く抑えられた場所を作れば、そこが「活性化」し、ガラパゴス化打破の糸口となる、というのが主張だ。最後に、労働者の再教育機関設置などの人材への投資を謳っている。

前者は、制度に互換性があるようにし、さらにルール作りを先に制した物が得をするということで、制度ごと輸出もできるものを作るということを提言している。問題は、この手のことはEUなどが先んじて既に行っていることである。どの程度インパクトがあるのか、不明なところも多い。日本国内には制度変更による各種コスト負担を強い、外国企業は非関税障壁が減って美味しい思いをする、なんていうだけの結果にもなりかねない。

後者は、要するに教育水準の高い外国人を日本国内の一カ所に集めて入れて、それを梃子に活性化しようということであろう。確かに「ガラパゴス化」は脱出できるのかもしれない。が、この「出島シナリオ」というのは、ざっくり言えば、要するに、安上がりにビジネスをできる場所をどこかに作ったら、日本は再び活性化する糸口を掴める、というようなものである。

そもそも、企業が低コストで事業ができ、人材に流動性があり、教育水準が高く、先端的研究機関があり、諸外国の言語が通じれば、イノベーションが起き、さらに日本全体に波及効果が生まれる、というのは、どうにも虫が良すぎないだろうか。本質的な所では「風が吹けば桶屋が儲かる」式の論理であると私には思われる。期待した通りの結果が生まれてくるとは考えにくいし、さらに他国の動きいかんでは正反対の結果にもなりうる。たとえば、この「出島」類のものを近隣の国に作られたら、瞬く間に人材から企業立地までそちらに吸い取られる可能性が高い。要するにただの安売り競争を自ら仕掛ける(そして仕掛け返される)ことになるだけかもしれない。

そもそも、世界にはわざわざ日本で働きたいと思う人はそう多くはない。「日本で働く」ことから連想するのは、少ない休暇、長時間労働、通勤地獄、「体育会系的」上下関係、、、、といったもので、まったく、魅力に乏しい。もっとはっきり言えば、いいことは一つもないといってもいい。おまけに、日本といえば、地震や台風といった天災を連想する。こんな具合だから、上記のような「出島的」特区を作ったって、おそらく人は集まらないだろう。

そういうことを考えていくと、この「脱ガラパゴス化の提案」に希望を持つのは、あまりに楽観的と言わざるを得ないだろう。

というわけで、本のタイトルとしてはセンセーショナル、だけで終わりそうな本だ。